やまぐち県民活動支援センターの伊藤章センター長からのご紹介にて、山口東京理科大学リーダースキャンプの講師を務めさせていただきました。18時から20時までの2時間です。山口東京理科大学は、2年前に山陽小野田市立の公立大学法人となり、入試倍率も高まり入学者も増えたと聞いていましたので、こうして学びのご縁をいただきありがたく思っています。
リーダースキャンプとは、クラブ活動のリーダー育成研修です。集まった部長たちは、理系大学ならではの自動車部、アプリ開発、HMS(Hand Made Science)や、卓球部、All Tea Gardenというカフェ部、その他様々なクラブのリーダーが集合しました。
「部員に仕事を任せる方法」という研修テーマをいただきましたが、スキル論をレクチャーするだけでは、学生たちの学びの当事者意識を高めるのは難しいため、インプロ(即興劇)の要素を取り入れた体験活動からスタートしました。
部員に仕事を任せる具体的手法も大切ですが、そもそもクラブの存在意義と目標=Visionを言語化し、部長に強く共感する右腕人材が必要ではないか?と学生たちとディスカッションを行いました。そして、「Visionと右腕人材」の大切さを体感するために、“春の部員勧誘”をインプロ的に行い、フィードバックと共有を行いました。
次に、部員に仕事を任せる場面設定を行い、コミュニケーション方法を皆で観察し、良かった点や改善提案を全体で行いました。そして、フリートークで出てきた部長たちの共通する悩みは、「仕事を頼んだのに、仕事をしてくれない。」という非常に重大な悩みでした。企業の中間管理職の方も、部下へ同じような課題を持たれているのかもしれません。
100%解決できるかどうかはわかりませんが、学生たちと議論し、「部員がクラブを自分ごとにする」ことが重要だという結論になりました。そのために、(1)全部員が仕事を担えるように、全部員でガントチャートをつくろう。(2)部長は全部員の良いところを3つ発見しよう。(3)部の夢・目標を語ろう。という3つの手法を考えました。
最後に、それぞれのクラブの夢・目標をワークシートに書き込み、数人に発表してもらいました。研修のふりかえりの中では、「大学の講義を、今回の研修のように双方向型にしてほしい。」という声もありました。
研修終了後の交流会では、「起業や地域活性化に関心はあるけれど、周辺に相談できる人もいなく、ハイリスクのイメージが高かったけれど、実際の実践されている方に出会えたので身近に思えるようになった。」と話す学生に出会い、義務教育にて地域を教材にした、アントレプレナーシップ(起業家精神)を育む授業の重要性をひしひしと感じました。周防大島町内の小中学校、高等学校での教育活動を充実させるとともに、他の市町村での開発や普及のお手伝いにも力を入れたいです。
今回のリーダースキャンプは、双方向講義として有名な米ハーバード大学の白熱教室をイメージして望みましたが、学生たちにとって刺激と学びになっていたら幸いです。